色相環(しきそう・環)と混色(続)

色相環については、7月20日に掲載しました。色(色相)が色相環の中心線によって分けられているとき、それぞれの線を挟む左右の色相を互いに混ぜ合わせれば、環全周では6色相環なら12色相環に、12色相環なら24色相環にと、色の数は限りなく増えてゆき、ついにはどこからどこまでが同じ色でどこから別の色になったのかもわからないような色の連続が生じ、よく見ればわずかずつ変化している、つまりボカシ状態になります。因みに人間の目は、隣接している色である限り1万を超える色を識別することができるそうです。そしてこの、中心線の2端に相対して位置する色相同士を、「反対色」とか「補色」と呼びます。

ところで、色相環に並ぶ色は、隣合う色同士の混色で、離れてある色や、同時に3色以上の混色、また無彩色との混色などはありません。それらも含めた色票は平面的な環ではなく立体構造になります。で、それらを除いて並ぶ色相環の色は「純色」と呼ばれます。絵具という商品として市場に並ぶ色は、すべて純色です。なお色相環の色の部分は周辺であり、円の中心迄色があるわけではないので、色相円ではなく色相環です

ところで「ボケる」「ボカす」は関西方言のツッコミ用語ではなく、印刷やイラストの世界で使われるれっきとした専門用語で、英語では「グラデーション(少しずつ変わること」です。

補色同士の混色は、無彩色(白・グレー・黒)を生じますが、実際には構成色を帯びたグレーとして現れます。7月12日に掲載した記事の末尾に、そのグレーを私がどのように使っているかを紹介しています。

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カエルの話 

7月26日、ボクが数日家を離れる前日ですが、ベランダにいるカエルを見つけてかなり驚きました。所狭しと並んだプランターや鉢の間に挟まるように両手を突き、じっと動きません。

図鑑を見ると、どうやらアカガエルらしいと見当が付きました。赤というよりは暗い茶色で、黒い斑点があります。小さいところからして子ガエルかもしれません。地上や樹上に住むそうです。

いくら高いところが好きとはいえ、ボクの家はマンションの6階です。第一、数㎝に満たないカエルが、どうして地上20余mにもなるはずのこんなところにいるのでしょう。ここまで来るには、エレベーターは無理でしょうから階段でしょうが、ボクは運動のためによく階段の上り下りをするので知っているのですが、踊り場も含めて97段あります。これを一段一段、目的があるかのごとく飛び上がり、一息ついて次のステップにまた飛びつき……これも考えにくいです。

カミさんの推理はこうです。おそらく卵の状態で、なぜか偶然、鉢の一つに落とされたのだろう。やがて卵から孵り、数日を経て今日ここに居る……。

食事をしてまたカエルを……とベランダを覗くと、どこかに消えていました。

ボクが出先から帰った日、カミさんが待っていたようにカエルの後日談を報告してくれました。二日ほど前ベランダで鉢に水を遣っていると、例のカエルが立て込んだ鉢の間に場所を変えていたのだそうです。そこで手を伸ばすと、それまで微動だにしなかったカエルが突然跳躍した。で、カエルは跳躍した勢いのままフェンスの細い金属の柵の間を抜け、空中に……。

卵のまま居付いたのだとすれば、カエルにとってはこれが生まれて初めて目にする外界であり、はるかに下界を見下ろす果て知れぬ空間の真っただ中と知らされた瞬間だったに違いありません。その驚愕、驚天動地はいかばかりのものだったでしょう。

アッと叫んで手摺に走り寄ったカミさんは、慌てて首を外に突き出し、下界を探したのだそうですが、何も見えなかったということです。次第に増加する落下速度、それと空気の激しい摩擦音の中で、カエルは何を思ったことでしょうか。

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色相環の順序で、絵具をパレットに並べて乾かす

●●あ、その前に……ボクは7月27日(月)から31日(金)まで、よんどころない事情で家を空けます。自学独習サポートのお問い合わせやご注文は、通常通り大歓迎ですが、ボクのメール受・発信はP/Cですから、お返事は金曜日午後以降になります。実は同じことが8月末にも控えているのですが、こちらはまた改めてお知らせします。なお、相模原の教室生徒諸氏には、9月以降のことは、別に郵送で一斉にお知らせするつもりです。●●

s-IMG_0121さて色相環を絵具の管理に利用することについて……。なんのことはありません。色をチューブから絞り出し、パレット上端の枠内に、色相環の順序に添って入れてゆくだけです。

7月4日のブログ冒頭の「ボクの教室の基本色リスト」は、色別にグループ分け去されていますから、これを参考に、左端から「赤っぽい色」「黄赤(オレンジ・橙)っぽい色」「黄っぽい色」と入れてゆくのです。入れ終わったら1~2日放置し、硬く乾かしてしまいます。つまり製品として売られている「(透明水彩)固形絵具」と同じものを作るのです。油彩やアクリル絵具とはことなり、透明水彩絵具は普通この方法で管理・保存・携帯・使用されます。画家・イラストレーターなど、職業画家も同じです。

複数の絵具を混色する場合は、それぞれの絵具の表面から擦り取った絵具を、パレットや皿の上で混ぜ合わせます。相互の枠内の表面が色違いの絵具で汚れますが、これを嫌って色ごとに洗った筆を使うのもいいし、絵具の頭の汚れを、最後に綺麗な筆で擦るだけでも済んでしまいます。

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色相環と、「色」を整理する話

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皆さんは、プリズム(普通三角柱形の透明体)を通った太陽光がさまざまの色に分かれて白い壁面に映った図(スペクトル)をご覧になったことがあると思います。自然光なら同じ分光(色と並び方の順序)の結果になります。つまり赤、オレンジ、黄、緑、青、紫です。それを描いたのがイラストの「帯(文章最下端)」ですが、これは絵具で描いているのでいい加減なもの、インチキ・スペクトルです。しかしこの、プリズムの光の帯の端と端とを結んで輪にすると、「色相環(しきそう・かん)」ができます。

 作り方。図のような輪(最上端)を描き、内側に中心線を3本描いて円を6等分します。12時の場所に赤、4時の場所に黄色、8時の場所に青を塗ります。塗った三色、赤、黄、青は三原色です。赤と言っても、いくつかある赤のどれか、黄色と言ってもどの黄か、青はどれか……これが決まれば、この3色だけでどんな色も作ることができます……理論上は! 

現在、実際に使われている三色は、コピー機や印刷機で使われる赤(赤の中の「マゼンタ」)、黄(イエロー)、青(青の中の「シアン」)です。

 次、赤と黄の間(文字盤2時の所)に、赤と黄色を混ぜた色を塗ります。「橙」とか「オレンジ」とか呼ばれる色ですね。「赤」と思う絵具に「黄」を等分に混ぜたらいかがでしょう。次は6時の文字盤です。黄と青の中間ですから「緑」を入れます。最後、10時の所、青と赤の中間ですが、両方を混ぜて「紫」。

 この色相環(最下端)を「6色相環」と呼びます。色で埋めた場所が6ヵ所(6色)あるからです。

 この色相環は、赤から初めて時計回りに回り、6色を収めました。しかし、赤とオレンジの間に両者の混色を挟み、オレンジと黄色との間に両者との混色を挟み……と進めると、12色相環(最後から二枚目のイラスト)ができます。これをなお進めていくと、色相環は無限に広がります。とはいえ、隣接色相以外の色同士の混色や無彩色との混色(茶色やオフホワイトなど)は、色相環では表せません。表す方法はあるのですが、図は立体になります。

次回はこの続きで、これをどう使うかという実用面での情報をお伝えします。 s-IMG_3042

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ボクの絵具リストをどう使うか② クリムソンレーキ続き

色作りの二回目、始まったばかりなので、まだクリムソンレーキです。クリムソンレーキは、「色相環(いずれご説明します)」のほぼ12時の辺り、つまり赤グループです。ここから時計回りにオレンジ→黄色と回るのですが、12時の辺りとはいいましたが、クリムソンは実は12時よりわずかに左側、つまり赤未満で紫に片足残している色です。で、これに橙、つまりバーミリオン(朱肉色)を混ぜ(混色)ると少し右に動いて赤になります。赤も赤、真っ赤っか、つまり深紅です。下の写真なら、左上とその右側中央を混ぜ、その下の赤の色(二枚)になります。ボクのリストでは、こうして作る以外に「赤」はありません。

s-IMG_0119次は、クリムソンレーキと緑、つまりテールベルトです。これを混ぜます。反対色・補色の関係です。写真の右下、黒かグレーか、少し赤味も感じられます。これ、例えばドクダミの葉に時々見かける鉄サビ色、アボカドの果皮、ゼラニウムの葉の中心の暗色の輪(ふ。葉の模様)、などに使えます。補色の混色でできる系統を「オフ・ブラック」と呼ぶこともあります。かすかな色味を残した黒に近い色です。他にオフ・ホワイト、オフ・グレーがあります。無彩色だけです。

次回は、色相環のご説明をします。それなしでは、色の話をこれ以上続けるのは難しいのです。まずは準備として、時計の文字盤12時の場所に、「赤」を置いてお待ちください。

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