トウモロコシで決まりッ!!


Kさんが仕掛りの作品をようやく仕上げました。この方はかなり以前、菌類イグチ科のキノコですが、その科に特有のヌメリまで伝わってくるような傑作をモノしています。

神奈川県の南端から北端のボクの教室まで、ほとんど休むことなく車で通い続けているKさんは、しかし決して多作ではなく、地味にコツコツ、ときどき秀作を仕上げてケロッとしているようなところがあります。

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ちょうど完成の場に居合わせたボクが、「これ、ホームページに載せていい?」と尋ね、快諾を得たものです。

トウモロコシなどを描く場合、同じパターンの繰り返しということで、ついモデルを離れ、鼻歌交じりにそのパターンに乗ってしまい、結局デッサンに行き詰まってしまうことがよくあります。

しかし実は、粒の一つ一つに固有の形があり、それの組み合わせで隣合わせができ列がつながり、また思いがけず面白いクズレが列の中に生じてさらに続くという、トウモロコシならではの自然な「らしさ」が現れるのです。

そのためには一粒一粒、どうでもよいような部分でも実物をしっかりコピーする……個々の粒々が主張する立体としての形をそのまま写し取る、ということが大切になります。

もう一つ。逆剥きにした苞皮ですが、ここで陰影の表現が甘いと、皮の重なり具合や房の許で折れてさらに先端に続く様子、細い一筋ごとの質感がボヤけます。そのことでただ一点、上方に重なる皮とテーブルに近い皮との陰影の相違は、もっと強調した方がよかったかもしれません。実の上側と下側とのコントラストはこれだけ表現できたのですから。

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