モノサシの使い方……【Ⅱ】実際の方法


IMG_0704前回の【Ⅰ】のイラストをもう一度ご覧ください。これは、モデルと描く人、その間にある筈の「透明な画用紙」の位置を、真横から説明したものです。これを頭の中で、「正面から見たイラスト」に置き換えるつもりで、もう一度確認してみましょう。

①一番手前にある貴方の目が、前方のモデル(植物体)を見つめています。モデルは、位置も向きもすでに検討し尽くして置いたものです。それを見つめるあなたの目も、定位置が決めてあります。

②目の定位置は決めましたが、その目、つまり視線はどこを見ているでしょうか。上部のイラストでは、植物体の高さの上から2530%、つまり最上部分のやや下、全体の首の辺りを見ているようです。

このような植物体のモデルでは、一般に花やツボミが集中するかなり上方、この辺りに注意が向けられことが多いです。

③次に「透明の画用紙」ですが、そんなものはありません。だから、頭の中で想像、仮定するだけです。で……、

●「想像上の透明版」を、モデルの前面に斜めに立て掛けます。想像するのです。

●その部分を見つめる目は動かさず、視線が版に垂直に衝突するような角度で、版の傾きを調整します。想像するのです。 

●版の傾きを決めたら、それは変えないまま、わずかに前方←→後方に版ズラシ、モデルで一番手前に出ている何かに一ヵ所が触れる位置に止めます。その一点だけが「実寸」で現れ、離れるほど小さくなります。図では花と小さな葉と大きな葉に触れていますが、これはウマク行き過ぎです。だいたい1~2箇所が限度です。やはり想像です。

これから、様々の部分を物差しで何度も計ることになりますが、最後まで、この想像上の板面を忘れてはなりません……とはいえ、前後に2㎜や3㎜のズレは仕方がありません。

④透明版の先に一枚の葉が見えているとします。透明版に物差しを密着させ、目盛りの0(ゼロ)を葉の先端に当てます。板面と葉の先端とは、奥行きは離れているでしょうが、離れていればその分は自然の距離間として「遠さ」つまり「奥行き」として自動的に小さな数字として表現されます。透明だから想像だからといって、モノサシを板面の先に突き出したり、前後方向に斜めにしたりは決してしません。ただ板面に密着させている限りは、モノサシは縦でも横でも斜めでも置くことができます。次はモノサシの他端を、葉の根本に当て、その目盛りを読み取ります。根元も、板面よりは奥行き方向に離れているかもしれませんが。つまりは「空中」での計測になります。

現実の物差しを想像の空間で動かしているのですから、端で見ている人からは「この人、何やってるの……?」、あ、いや余計なことでした、次に進みます。物差しは20㌢以内の、樹脂製でグリッド、つまり格子が刻印してあるものが使いやすいです。

 奥行きのあるモデルを、上端も左右の奥も、根本に下がってさえも、平べったい(想像で固定した)板一枚の表面で、モノサシを密着させて測るのですから、特に上端と下端とは少し不自然な計測になるはずです。現実には、幹や茎以外の部分は問題になるほどではないのですが、幹や茎は、厳密には根に近づくほど向こう側に湾曲して計測されるはずです。しかしこれも、矛盾が数字に表れるほど上下に長い場合だけで、「向こう側に湾曲」しているものは、こちら側から見れば垂直に見えるわけで、これも問題は小さい……が、ただ太さだけはごまかせません。根に近いのに、太くならない、上方の幹より細くなっちゃっう……。この場合は最下部周辺の太さに関してだけ、適度な修正を施す必要が出てくる場合があります。ただ、教室の生徒諸兄姉から過去、この点の質問が出されたことがなく、不IMG_0707IMG_0708思議に感じるのと「同時に教育が悪かったか」と反省もしています。

下の二つのイラストは「モデルとなる植物体に宛がう想像上の透明版は、重要部分を見つめる視線が垂直に当たる角度で……」を、別の例で図示したものです。高所にあるもの、目よりずっと下にあるもの、のに二例です

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