教室とコロナ最前線


昨年10月に再開した教室ですが、以後、感染者にも見舞われず……事実そうなのですが、教室という結界の一線外側には、ヒタヒタとウイルスの足音が……。そして身をもってそれを守っている生徒さんたちも……。

その一。教室閉講前熱心に通い、閉講後は再開を待ち望んでいた生徒さんの一人Aさんが開講初日、なぜか教室に現れませんでした。お知らせしなければならないことあり、連絡も取ったのですが通じない。

ある日の夕方、ようやく電話にご夫君がでてくれました。「今夜も帰れないということで、先ほど連絡があったんです。明日?……明日はどうでしょうか、まだ分かりませんが、明日午後にでも改めてお電話いただけませんでしょうか」と、ご本人自身戸惑いながらもご丁寧なお返事です。ただ、「今夜も帰れない……」とか「明日はどうでしょう……」など、尋常でない感じが伝わってきて驚いたものです。

それから一週間ほどだったでしょうか、メールにAさんからの連絡が入っていました。そこに書かれていたのは、Aさんは医療従事者であったという事実と、仕事場である病院にほとんど缶詰になり、いつ果てるとも知れぬ業務……。たまに帰宅できても、限界を彷徨う身体をただひたすら横たえるだけ……。これでは、電話やメールに取り付く気力さえ失せても当然と想像させるに十分な言葉の端々だったのです。

その二。クラスには既定の授業回数があるのですが、それを超え、クラスをWに跨いで出席を重ねるタフな男性Bさんのことです。その彼が、ある日から全く姿を見せなくなった。10日ほど後、授業を終えて帰宅した私が玄関から部屋に移ったとき、電話が鳴りました。Bさんでした。

「いやあ、連絡しないで休んですいません。実はコロナで……いや、私は感染したんじゃないんですが、仲間が罹ってしまって、私も濃厚接触者ということで隔離されてしまったんです。2月になったら行きますんで、よろしく、ははは」。こちらはずいぶん明るい被害者ですが、その明るさに救われた例です。

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