一人吟行……勝手違いーー2


乗ったバスは相模原駅前行きで、駅に近い道路の並木は、上下線ともに「市の樹木」に指定されているケヤキが植栽されています。で、道にケヤキの植え込みが見られるようになったころ、窓越しに外を注視していたボクは「アッ」と呟きました。ケヤキには違いないのですが、心に描いていた堂々たる樹木ではありません。ボクはバスを降り、並木に沿って歩き始めました。この時期のケヤキは、まだまだうっそうたる葉の茂みを梢に蓄えていて、「……枯れ果てて……」どころではありません。しかしそれよりも驚いたのは、①一本毎の欅が腰のあたりで抱かれるように鉄輪に幹ごと支えられていて、幼木のころに生じた枝のすべてがその鉄輪の内側に拘束されたまま育ち、ケヤキ特有の箒のようにのびのびと散開した梢の広がりがまったく見られないのです。過去、バスの数えきれないほどの乗り降りにもかかわらず、初めて真実を明かされたような気持ちでした。まだあります。②並木に沿って歩きながら知ったのですが、剪定作業(梢の計画伐採)が、バス路線の一部ですでに始められていることでした。つまりこの日の吟行では何も得るものがないまましょぼくれて下りのバスに乗った次第です。で、一句できました。目の当たりにした現実をすべて無なかったこととし、発表は、冬が終わるころ(明年1月?)の句会に回し……「枯れ果ててなほ堂々の欅かな」。

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